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クッキングストー部1食目 タベルナシカ 

posted: 2015.12.06

田舎暮らしの冬の定番とくれば、灯油ストーブです。近ごろは薪ストーブに押され気味とはいえ、あちらはスーツ姿の親戚のおじさん的。紳士すぎて、どこかよそよそしい。対して我らが灯油ストーブはどてらを着たオヤジのような親しみやすさ。ヤカンを置いて愛でると、こんなにもしっくりくるとは。この愛すべき野暮ったさの象徴(※書き手の偏見)をもっと使わないでか。というわけで、田舎的ストーブグルメを作っていきます。

しか僭越ながら第1回の料理を担当いたしますのは、シカをさばいて11カ月の若岡。僕です。
ひょんなことから猟師と知り合い、「シカいるか?」と肉をもらえることに。そこまではよかったのですが、1頭まるまるです。それも毎週のように。とても1人じゃ食べきれません。そこで、本日は「あっ、いけない、シカもらいすぎちゃった」という田舎特有のシチュエーションにも困らない一品をご紹介します。

用意するのはこれだけ。私、ずぼらなので。しか2シカの背肉、ロースを使います。無限大のポテンシャルを感じるこの形→∞しか3
ニンニク、じゃじゃーん。しか4とりあえず切る。しか5さらに切る。しか6切りすぎた!しか6塩と刻みすぎたニンニクをもみ込み、20分ほど寝かせます。ぐーシカ7待っている間に、ユズを発見!予定外ですが、香り付けに使いましょう。しか8刻んで先ほどの肉に合わせます。しか9オリーブオイルを入れて湯煎。しか9待つこと1時間。湯温は60~70℃くらい。温度計がなかったので指先で温度管理。熱い!しか10取り出して切ってしか11盛りつけて完成!しか1

食べるな+シカ

 

食べちゃだめです。料理を作っておいてなんですが、生肉、シカ刺しは。E型肝炎のウイルスがいるんです。
重症化するのはまれ。とはいえ、宝くじと比べたら格段に当たりやすい。だから、食べるな!なのです。
かといって、しっかり火を通すと、固くて苦戦必至。脂肪がない上に、肉汁が流れてパサつきます。これで血抜きが失敗していた日には「固い、パサい、臭い」の三重苦に泣けます。低温での湯煎は、こうした欠点を防いでくれます。

食べる+なしか

 

昔は血抜きや下処理のよくない肉が出回っていたため、今でもシカは美味しくないと思っている猟師も少なくありません。せっかく捕まえても、そのまま捨ててしまうことも。ジビエとして定着しつつある、需要があるのに、です。
最近は人気が出てきていると伝えても半信半疑。シカを珍重するのは、どちらかといえば都市部で、田舎で暮らしていたら珍しくないからピンとこないのでしょうか。

思いつきでシカの調理法を書き始めたのですが、背景を考えていくと、田舎暮らしの人に向けてなのかもしれません。
タベルナシカは「食べる+なしか」でもあります。「なしか」はこちらの方言で「なんでか、どうしてか」。食べるのはなぜか、どうして食べるのか。考えさせられます。