シリーズこうげの顔1

井戸掘りに養蜂……仕事も遊びも自分でつくるもの!

地図やネットで上毛町と調べてみると、なんとなくどんな場所なのかは分かります。それだけだと分からないのは、そこに暮らす人の顔。ということで、ワーキングステイの募集を口実に、「上毛町の顔」を紹介していきます。会うとアイデアや元気をもらえたり、ときには野菜やそのほか食料もいただけたり、もちろん餌付けされずとも大好きな方々ばかり。
初回はワーキングステイの物件オーナーでもある小木戸秀喜さんです!文中の太字は若岡です。
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取材ということで、よそ行きのオシャレポロシャツに着替えた小木戸さん。恐縮です。表情は飾らない普段着のまま。

取材ということで、よそ行きのオシャレポロシャツに着替えた小木戸さん。恐縮です。表情は飾らない普段着のまま。

最近は何をしてるんですか?
いまはレモン農家になった。春に50本植えたから大変でなあ。役場が特産にしようとしよって、苗を世話してくれた。で、こいつも手に入れてきたけな(600ℓ入るタンクを指差し)。井戸を掘ったんよ。

! え、井戸?ど、どこに??ひとりで掘れるものなんですか……。
うちのレモン畑。掘れたよ。

掘って水が出るんですか?
うん、出た。ユンボで畑を掘ったら出た。今年は日照りが続いて水がないときに困ってな。

井戸って大がかりじゃないと出ないイメージでしたが。出るもんなんですね。
この辺でもあんまり聞かんね。井戸から水を吸い上げてパイプで撒けるようにするんよ。50本もあって全部枯らしたらしゃれにならんわ(笑)

大きなタンク。謎の入手経路をお持ちです。

大きなタンク。謎の入手経路をお持ちです。


レモンの苗木は植えたばかりでまだ小さい。右奥に見えるのが井戸掘りに使ったユンボ。

レモンの苗木は植えたばかりでまだ小さい。右奥に見えるのが井戸掘りに使ったユンボ。

—畑に移動すると、一角に直径1mほどの井戸がありました。

あ、井戸だ。本当に掘ったんですね。
もともと湧水があるのは分かっちょったから、掘れば出る。あそこのユンボでな、けっこう深く掘ったなあ。ちょっと測ろうか。

—小木戸さんが近くに落ちていた長い棒を拾い、井戸に差し込んでいきます。
思ったよりけっこう入るな、おっ、止まった。1.8mくらいかな。この井戸から電動のポンプで水をくみ上げて、上の畑から水を撒く。あとはその作業をするだけ。

手伝いますよ(体力仕事限定ですが)。
ところが、ようやく梅雨らしくなって雨が降ったやろ。すぐには必要なくなってな(笑)。すぐにやらんくてもいいんよ。

(笑)、じゃあ、設置はまたの機会に!

するする井戸に入っていきます

するする井戸に入っていきます

—井戸掘りのほかに、この日は養蜂に使う巣箱の改良にも取り組んでいました。ワーキングステイ物件の前にある工房で見学です。

巣箱いっぱいありますね。養蜂というか、ハチミツおじさん。。。
売るほど取れんのよ。自分たちで食べる分くらいの量はあるけど、売るほどは取れん。

そうなるともう、半ばハチたちのためのお家づくりのような(笑)。観察するのが楽しそうですね。
そうそう、育てとる。ハチミツも取るけど、あんまり取れん。まあ、これからのために、経験を積むためにな。

—実際にニホンミツバチの入っている巣箱を観察。
うちのは全部ニホンミツバチ。風の通らんところのハチは羽でブンブンあおぎよる。本当は日陰の風通しのいいところに置いてやりたいんやけど、もう場所がない。(巣箱から出てくるハチを見ながら)ほら、巣の中にたまった花粉のゴミや仲間の死骸なんかを出しにくる。けっこうキレイ好きなんよ。掃除してやらんと、天敵のスムシ(※1)が入ってきてやられる。

かなり生態に詳しくなってるんじゃないですか。
面白いから毎日見るね。これ、巣箱をコンコンたたいたら、けっこう出てくるんよ。(言い終わる前に、すでに叩いている)あ、ほら出てきた、出てきた。あ、ストロボ焚いたらいけんよ。刺しにくる。こないだ巣箱に手を突っ込んだら刺された(笑)。

養蜂もやったり、ほかにも色々やることがあって忙しそうですね。
まあ、仕事も遊びも自分でつくるようにしとるからな。

改良したハチの巣箱。開けやすさや使い勝手だけでなく、小木戸さんはハチの居心地も追求しています。

改良したハチの巣箱。開けやすさや使い勝手だけでなく、小木戸さんはハチの居心地も追求しています。

-レモン栽培、養蜂のほかにも秘密基地のような工房づくり、薪割りと出荷、レンガ造りのピザ窯製作などで小木戸さんは大忙し。秋にはワーキングステイ参加者を迎え入れてくれます。

そういえば、今年のワーキングステイはどんな方に来てほしいですか?
そうやなあ、一緒にものづくりができる人やといいなあ!

てことは、この秋も忙しい日々が続きそうですね。

※1 スムシ……ハチノスツヅリガの幼虫。ハチの巣に寄生して蜜蠟を食べる。いわば家庭内不和をもたらす間男のような存在。悪いやつだと思っていたが、ナショナルジオグラフィックでプラスチックを分解できるかもしれないと知り、少し見直した。詳細はこちらの記事に。

written in 2017.07.18 by 若岡拓也